不良の木

不良の木 (光文社文庫)

不良の木 (光文社文庫)

一年ぐらいかけて楊令伝を読み直してて、久しぶりに時代物以外の北方文学に戻ってきた。
これの前に「鎖」を読んでるんだけど、そっちも良かった。
ただこの「不良の木」、今読み終わった事もあってか感動で興奮している。
ってか、美有シリーズのスピンオフなのね。
一番初めに読んだ現代物の北方文学が美有シリーズなので、数年ぶりに友人に会った気分だった。
途中で余談が入ったが「不良の木」の感想というか概要。
主人公の野崎と少年・安彦の交流を描いたハードボイルドミステリーであり、少年・安彦の成長記でもある。
ラストシーンは泣いたよ…勿論その手前の安彦の決着シーンも。
少年はこうして男になっていくんだな。
ってのは流石に読者の勝手な言い分か。
安彦の決着は義母の裕子が言うように「むごすぎる」のかもしれない…。
だけど、男と男ってのは年齢なんか関係ないってのが良く分かった作品でした。